日本映画 や行
約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~
独房の半世紀ー。
あなたは、その時間を想像することができますか?
――無実を叫び続けている。ずっと。そして、いまも。――
獄中から無実を訴え続けている死刑囚がいます。奥西勝、86歳。昭和36年、三重県名張市の小さな村の懇親会で、ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡しました。「名張毒ぶどう酒事件」です。奥西さんは一度は犯行を自白しますが、逮捕後、一貫して「警察に自白を強要された」と主張、1審は無罪。しかし、2審で死刑判決。昭和47年、最高裁で死刑が確定しました。
事件から51年・・・際限なく繰り返される再審請求と棄却。その間、奥西は2桁を越える囚人が処刑台に行くのを見送りました。いつ自分に訪れるか分からない処刑に怯えながら。あなたは、その恐怖を、その孤独を、その人生を想像することができますか?
2012年/日本/120分/カラー/ビスタ
監督:齊藤潤一
監督:齊藤潤一
出演:仲代達也/樹木希林/天野鎮雄/山本太郎
ナレーション:寺島しのぶ
配給:東海テレビ放送
八重子のハミング
四度のガン手術から生還した夫がアルツハイマー病の妻に贈る、三十一文字のラブレター
「四十年(よとせ)過ぎ 妻と歩めし 瀬戸の人生(みち) うず潮の道 今ぞなつかし」
どこからか聞こえてくる男性の声・・・。「やさしさの心って何?」と題された講演。
演台に立つ、白髪の老人・石﨑誠吾(升毅)。若年性認知症を患った妻・八重子(高橋洋子)の介護を通じて、自らが経験したこと、感じたことを語っていく。「妻を介護したの12年間です。その12年間は、ただただ妻が記憶をなくしていくじかんやからちょっと辛かったですいいねぇ。でもある時こう思うたんです。妻は時間を掛けてゆっくりと僕にお別れをしよるんやと。やったら僕も妻が記憶無くしていくことを、しっかりと僕の想い出にしようかと・・・。」誠吾の口から、在りし日の妻・八重子との思い出が語られる。かつて音楽の教師だった八重子は、徐々に記憶を無くしつつも、誠吾が歌を口ずさめば笑顔を取り戻すことも・・・。家族の協力のもと、夫婦の想い出をしっかりと力強く歩んでいく誠吾と八重子。
山口県・萩市を舞台に描く、夫婦の純愛と家族の愛情に溢れた12年間の物語
2016年/日本/112分/劇映画/カラー/ビスタ
監督:佐々部清
原作:陽信孝「八重子のハミング」(小学館)
出演:升 毅/高橋洋子/文音/中村優一/安倍萌生/辻 伊吹/二宮慶多/上月左知子/月影 瞳/朝加真由美/井上順/梅沢富美男
配給:アークエンタテインメント
靖国
誰も知らなかった、歴史がここにある。
「靖国神社」には、もうひとつの日本の歴史がある。日本人にとって複雑な思いを抱かせる、アジアでの戦争の記憶をめぐる歴史だ。
日常は平穏そのもののだが、毎年8月15日になると、そこは奇妙な祝祭的空間に変貌する
靖国神社の10年にわたる記録映像から、アジアでの戦争の記憶が、観るものの胸を焦がすように多くを問いかけながら鮮やかに甦ってくる。
日常は平穏そのもののだが、毎年8月15日になると、そこは奇妙な祝祭的空間に変貌する
靖国神社の10年にわたる記録映像から、アジアでの戦争の記憶が、観るものの胸を焦がすように多くを問いかけながら鮮やかに甦ってくる。
2007年/中国・日本/123分
監督:リー・イン
配給:ナインエンタテインメント
監督:リー・イン
配給:ナインエンタテインメント
闇の子供たち
夕凪の街 桜の国
生きとってくれて ありがとう
『夕凪の街』原爆投下から13年後、昭和三十三年の広島。平野皆実(麻生久美子)は復興の進んだ街で母のフジミ(藤村志保)と暮らしていた。ある日、皆実は会社の同僚である打越(吉沢悠)からの愛の告白を受けるが、皆実には原爆で家族を失い、自分だけが生き残ったことが心に深い傷となって残っていた。父や妹のことが頭から離れず、自分だけが生き残ったことに負い目を感じてしまい、打越との幸せを心から受け入れられない。それでも打越は真摯に愛し、皆実も気持ちが動き始める。しかし突然、皆実の体に原爆症が現れはじめる。
『桜の国』半世紀後の平成十九年、夏の東京。石川七波(田中麗奈)は最近父親の旭(堺正章)が挙動不審であることを心配していた。ある夜、自転車で出かけていく旭を追っていくと、駅で切符を買い求めていた。その姿を見ていた七波は、小学校時代の同級生である東子(中越典子)と久々に再会し、二人はさらに旭の後を追う。電車から長距離バスへと乗り換えた旭の行く先は広島だった。七波は旭の立ち寄る土地や会う人々を遠目から見ているうちに、亡くなった祖母のフジミや叔母の皆実へ思いをめぐらせる。
2007年/日本/118分/カラー/ビスタ
監督:佐々部清
監督:佐々部清
出演:田中麗奈/麻生久美子/吉沢 悠/中越典子/伊崎充則/金井勇太/藤村志保/堺 正章
配給:アートポート
配給:アートポート
ゆずの葉ゆれて
あなたの宝物、ちゃんと見つけましたよ。
――激動の昭和を生きた夫婦と少年の想いが交錯し、思わぬ奇跡が起こる・・・。――
鹿児島の自然に包まれた小さな町。小学四年生の風間武(山時聡真)は、家族同様に接してくれる隣家のバアちゃん(松原智恵子)から、寝たきりになっているジイちゃん(津川雅彦)を元気付けてほしいと頼まれる。しかし、ジイちゃんはその夜に息を引き取った。葬儀の準備をすすむ中、帰郷した娘たちは苦労ばかりしてきたバアちゃんに同情するが、彼女は「わたしは苦労なんかちっともしていない」と、ジイちゃんが秘めていた家族への想いを語りはじめた。一方、ジイちゃんの死を哀しむ武は、不思議な少年ヒサオと出会い、ある宝物を探すこととなる。
2016年/日本/94分/カラー/ビスタ
監督・脚本:神園浩司
監督・脚本:神園浩司
出演:松原智恵子/津川雅彦/山時聡真/西村和彦/小林綾子/芳本美代子/真由子/辻本祐樹/平岡真衣/木村隆信/前田健晴/中村美沙
主題歌:元ちとせ(「君の名前を呼ぶ」(オーガスタレコード/アリオラジャパン))
配給:エレファントハウス
▲公式ページ
▲公式ページ
ゆずり葉の頃
絵筆が心のキャンバスに旋律を刻み込む——
市子(八千草薫)が少女の頃に思いを寄せていた人は、今では国際的な画家となっていた。彼の個展の記事を目にした市子は、思い出の一枚の絵を求め、軽井沢へと旅立つ。旅に出た母を気にかけ、後を追う息子の進(風間トオル)。戦後の貧しさの中で、着物の仕立てをしながら過ごした若き日の母の思い。心に封印した母の思いを進は知らずにいた。軽井沢で人のぬくもりに触れ、次第にほどけてゆく市子の心。そんな市子に思いがけない出会いが訪れる。
2015年/日本/102分/カラー/ビスタ
監督・脚本:中みね子
監督・脚本:中みね子
出演:八千草薫/風間トオル/岸部一徳/仲代達矢/竹下景子/六平直政/嶋田久作/本田博太郎
配給:パンドラ
▲公式ページ
▲公式ページ
湯を沸かすほどの熱い愛
最高の愛を込めて、葬(おく)ります
銭湯・幸の湯を営む幸野家だったが、1年前、父・一浩(オダギリ ジョー)がふらっと出奔してから休業していた。母・双葉(宮沢りえ)は持ち前の明るさと強さで、パートをしながら娘・安澄(杉咲花)を育てている。ある日、双葉は余命わずかという宣告を受ける。それから双葉は、“絶対にやっておくべきこと”を決め、実行していく。それは、家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる、気が優しすぎる娘を独り立ちさせる、娘をある人に会わせる、というものだった。双葉の行動によって、家族の秘密はなくなり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母・双葉を送ることを決意する。
2016年/日本/125分/カラー/シネマスコープ
監督・脚本:中野量太
監督・脚本:中野量太
出演:宮沢りえ/杉咲花/篠原ゆき子/駿河太郎/伊東蒼/松坂桃李/オダギリジョー
配給:クロックワークス
▲公式ページ
配給:クロックワークス
▲公式ページ